投資用でワンルームマンションを所有している方は「どのタイミングで売却するべきか」「少しでも多くの利益を出すために値下がりしないうちに売却したい」と考える方も多いのではないでしょうか。ワンルームマンションの売却はタイミングが大事です。
そこで本記事では、ワンルームマンションの最適な売却タイミング、高く売るためのコツを紹介します。また売却前に事前に準備しておきたいことについてもまとめました。売却を検討されている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
- ワンルームマンションは低金利時が売却のタイミング
- ワンルームマンションの売却にかかる金額は売却金額の5〜7%
- ワンルームマンションの売却は仲介だと相場より高く売れる可能性がある
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Contents
ワンルームマンション売却のタイミング
ワンルームマンションを売却したいと考えている方にとって、一番気になるのは売却のタイミングでしょう。ワンルームマンションの売却タイミングは、自宅用か投資用かで異なります。以下でそれぞれの適切な売却時期について解説していきます。
自宅用のワンルームマンションの場合
自宅として利用していたワンルームマンションは、持ち主が売りたいと思ったときが売却のタイミングです。たとえば以下のような状況が挙げられます。
- 子どもが家を離れるので老後でも暮らせるマンションに住み替えたい
- 築年数が経って古くなってきたので新しいマンションに引っ越したい
- まとまった資金が欲しい
投資用のワンルームマンションの場合
投資用のワンルームマンションは自宅用と異なり、売却するタイミングに注意する必要があります。
月々の収支がマイナスになったとき
収入と出費のバランスを見て、毎月の収支がマイナスになっているときは売却のタイミングです。築年数の経過に伴い修繕にかかる費用は増えていきますが、家賃は下落していく傾向があります。また、入居者がいて家賃収入が継続的にあっても、赤字になっているケースはめずらしくありません。 キャッシュフローがいつ悪化するのか把握するために、現在の収支はもちろん中長期での収支バランスもこまめに確認しておきましょう。
減価償却費がローンの元金返済額を上回ったとき
減価償却とは物件の購入費用を耐用年数に応じて分割し、それぞれの年で費用計上する会計処理のことをいいます。減価償却費は、簡単にいうと物件の劣化を表す費用のことで、算出方法は以下の通りです。
景気が上昇しているとき
景気が上昇しているときは地価も上がることが多いので、ワンルームマンションの価格も上昇を見込めます。また市場の動きも早いため、短期間で売却できる可能性が高いでしょう。 また社会的情勢としては、金利が低い時期もワンルームマンションが高値で売れやすいタイミングです。低金利だと返済利率が低く済むので、投資家が資金を調達しやすいという理由が挙げられます。
ワンルームマンション売却前に準備しておくこと
ワンルームマンションの売却をするときは、不動産会社に相談し、実際に見積もりを取る必要があります。ここでは見積もりを取る前に準備しておいた方がよいことを解説していきます。
相場を把握しておく
まずは目安で構わないので、売却金額の相場を事前に調べてみましょう。相場を大まかにでも把握しておくことで、不当な金額を持ちかけられても判断できるようになり、売却までの道のりがスムーズに進むからです。 また、もし似たような同じマンションが売りに出されていたら、金額を控えておきましょう。自宅用のワンルームマンションであれば、不動産会社のサイトから類似物件がいくらで売りに出されているのか調べてみましょう。投資用のワンルームマンションであれば、年間の純収益を利回りで割ると、おおよその金額を計算できます。
ワンルームマンションのローン残債を確認する
ワンルームマンションを売却する前に、ローン残債を確認しておきましょう。ローンは売却時に一括で返済しなければいけません。ローン残債と併せて、最低でもこの金額で売却したいというラインを決めておくのも大切です。 場合によっては売却金額でローン残債が賄えないこともあります。その際は、自己資金を用意するか、銀行などの金融機関から借入をして資金を調達しなければなりません。特に借入をしなければいけない可能性があるときは、事前に金融機関に相談しておきましょう。
マンション売却の流れ
ワンルームマンションの売却が完了するまで、およそ3ヶ月〜半年の期間が必要となります。事前にスケジュールや売却するまでの手順を把握しておくと、売りたいタイミングで計画的に売却できるので確認しておきましょう。売却の流れは以下の通りです。
査定依頼をする
まず不動産会社に査定を依頼します。不動産一括見積もりサイトなどを利用して複数の会社に査定依頼をしましょう。査定額は会社によって異なるため、より好条件で売却するには不動産会社を比較検討するのが重要です。 また投資用のワンルームマンションなら、投資用物件専門の不動産会社に査定を依頼するのもおすすめです。
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媒介契約をする
不動産会社に売却活動を行ってもらうため、媒介契約を結ぶ必要があります。媒介契約には、一般媒介契約 、専任媒介契約 、専属専任媒介契約という3つの種類があります。
区分 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
概要 | 同時に複数の不動産会社と媒介契約を結べる。 | 特定の不動産会社だけと媒介契約を結べる。 | 特定の不動産会社だけと媒介契約を結べる。 |
活動状況の報告 | なし | 14日に1度 | 7日に1度 |
買取保証 | なし | あり | あり |
一般媒介契約は複数の不動産会社と契約を結べる一方、あまり不動産会社は積極的に営業を行ってくれないというデメリットがあります。
それに比べて、専任媒介契約と専属専任媒介契約は1社としか結べないので、積極的に営業を行ってくれるのが特徴です。 また、買取保証といって一定期間買い手が現れなかった場合は、不動産会社が物件を買い取るという保証制度があるのも安心です。
売却活動をする
購入希望者が現れたら、物件の内覧に対応します。整理整頓はもちろん、掃除も丁寧に行いましょう。特にキッチンやお風呂場などの水回りは念入りに綺麗にしておいてください。 また消臭スプレーなどを活用して、できるだけ生活臭の匂いを消すのも重要です。この日に物件のアピールを適切にできると、購入に繋がりやすくなります。
売買契約を締ぶ
買い手が見つかったら最終金額などをすり合わせて、合意が得られたのちに契約となります。契約書類を記入したら契約完了となり、買付証明書を受領しましょう。売買代金の1割程度の手付金を買い手に支払ってもらいます。反対に売り手は不動産会社に対して、仲介手数料の半額を支払います。
物件の引き渡しをする
実際の引き渡しは契約締結してから約1ヶ月後です。引き渡し時に買い手は未払いの代金を支払い、売り手は残りの仲介手数料を不動産会社に支払います。 売却物件に関する資料、物件の鍵などを渡したあと、法務局で所有権の移転登記を行います。登記の完了までに1週間程度かかります。
ワンルームマンション売却にかかる費用
ワンルームマンションの売却にはさまざまな費用がかかります。売却金額の5〜7%の費用がかかるので、事前に把握しておきましょう。かかる費用は以下の通りです。
費用 | 金額 |
不動産仲介手数料 | (売却額×3%)+ 6万円 + 消費税 |
印紙税 | 1,000円〜6万円(売却金額により変動) |
ローン一括返済の手数料 | 1〜3万円 |
抵当権抹消の手数料 | 1,000円〜2万円 |
税金 | 売却で利益が出た場合にかかる |
不動産仲介手数料
不動産仲介手数料は、売却額を元に計算されます。仲介手数料は国土交通省で上限が決められていて、売買価格が高額になるほど手数料率は低くなります。 手数料上限は以下の通りです。
売買価格 | 手数料上限 |
200万円以下 | 5% + 消費税 |
201万円以上400万円以下 | 4%+2万円 + 消費税 |
401万円以上 | 3%+6万円 + 消費税 |
印紙税
売買契約書、売買代金の領収書といった書類には収入印紙が必要となるため、印紙税が必要になります。印紙税も書類の記載金額によって変動するので以下の表で確認しましょう。
記載金額 | 印紙税額 |
10〜50万円以下 | 200円 |
50〜100万円以下 | 500円 |
100〜500万円以下 | 1,000円 |
500〜1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000〜5,000万円以下 | 1万円 |
5,000万円〜1億円以下 | 3万円 |
1〜5億円以下 | 6万円 |
5〜10億円以下 | 16万円 |
ローン一括返済の手数料
ローン残債がある場合は、ワンルームマンションの売却時に一括返済しなければいけません。その際に一括繰り上げ返済にかかる手数料を1〜3万円前後、金融機関に支払う必要があります。ローンがない場合は、支払いの必要はありません。
抵当権抹消の手数料
ローンを一括返済した場合は、法務局に出向いて設定した抵当権の抹消手続きをします。個人で行うこともできますが、重要な手続きなので司法書士へ依頼することも多いです。その場合は手数料が発生するので、2万円程度を想定しておきましょう。
税金
マンションの売却で利益が発生した場合は、利益に応じて譲渡所得税を納めなければいけません。譲渡所得税とは、住民税、所得税、復興特別所得税をまとめたものです。 譲渡所得税は、マンションの所有期間が5年以上であれば安くなります。詳しくは以下の通りです。
所有期間 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 計 |
5年以上 | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
5年以下 | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
ワンルームマンションを高く売るコツ・注意点
ワンルームマンションを売却するのであれば、なるべく高く売りたいですよね。ここからは、高く売るためのコツや注意点を解説します。
金利が低くなったときを狙う
ワンルームマンションに限らず、低金利は買い手にとって不動産の購入タイミングです。金利が低いとローンなどを組みやすく資金調達がしやすいため、買い手の心理的にも購入しやすいでしょう。 投資用の場合、下記の計算式で算出できます。
実績のある不動産会社と契約する
なるべく高い価格でワンルームマンションを売却するには不動産会社との連携も大切です。売却できるかどうかは不動産会社の営業実力に懸かっているといえるので、より不動産会社選びは慎重に行う必要があります。 不動産会社によって「戸建て」「マンション」など得意とする分野が異なります。また、エリアや物件の特徴によってもそれぞれ強みがあるでしょう。 投資用物件に関しては特に実績の多さが重要です。投資用物件の顧客は主に投資家なので、普段居住用の物件を扱っている会社だとスムーズに取引できない可能性があります。自分のマンションと似た物件の売却実績を多く持つ会社を選べると、失敗が少ないでしょう。
空室を埋める
投資用物件の空室は、買い手に値下げ交渉の余地を与えてしまうため、あまり好ましくありません。なるべく空室を埋めた状態で売るようにしましょう。 すぐに居住者を探すのが難しいという方は、フリーレントを利用してみるのも一つの手です。
買取と仲介の違いを理解しておく
売却方法には買取と仲介という2種類があります。買取は買い手が不動産会社、仲介は買い手が個人になります。それぞれのメリット・デメリットについて見ておきましょう。
区分 | 買取 | 仲介 |
価格 | 仲介の7~9割程度 | 買取より高い |
売却に至るまでの時間 | 短期 | 3~6ヶ月 |
リフォーム代 | なし | あり |
仲介手数料 | なし | あり |
不動産会社が物件の買取をする場合は、リフォームなどをしてから売却して利益を得ようとします。そのためどうしても相場価格より低くなってしまいますが、すぐに売却できるのはメリットです。
仲介の場合は市場の相場価格以上での売却も見込めます。しかし不動産会社が広告費をかけて売却活動をするため、なかなか買い手が見つからず売却するまで3ヶ月〜半年といった長期にわたって時間がかかることもあります。 このように買取と仲介でもそれぞれ特徴が違うので、自分に合った方法で売却しましょう。
まとめ
ワンルームマンションの売却において重要なのは、売却のタイミングを見極めることです。投資用の物件であれば、月々の収支がマイナスになったとき、減価償却費用がローンの元金返済額を上回ったときが売却のタイミングです。そのためにもこまめなキャッシュフローの確認が大事です。 また、事前にワンルームマンション売却の流れや、売却にかかる費用を知っておくことで、実際に売却するときも「知らなくて大変な目に合った」とならずに済みます。ワンルームマンションの売却を成功させるためにも、繰り返し確認しておきましょう。
※この記事は不動産のお悩み編集部が提供しています。
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