生活保護は持ち家があっても受給可能!受給の条件や注意点を解説

生活保護は、一定の条件を満たすことで持ち家を所持したままでも申請や受給が可能となります。

しかし、ひとえに持ち家といっても、居住用の家から商売に必要な店舗や工場、あるいは別荘などさまざまな種類があります。これらの中には持ち家として認められないものもあるため、事前に条件を確認しておくことをおすすめします。

この記事では生活保護を受給する上で持ち家の所持が認められるケース、認められないケース、生活保護の申請方法などについてわかりやすく解説します。この記事を参考に、持ち家に住み続けながらも生活保護を申請できるよう、正しい知識を身に付けるようにしてください。

この記事からわかること
  • 居住用の持ち家であれば所持したまま生活保護を受給できる
  • 多額の住宅ローンが残っていると生活保護を受けられない
  • リースバックを使えば持ち家に住んだまま家の所有権を手放せる

生活保護とは|持ち家があっても生活保護は受給可能

生活保護とは、日本国憲法第25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」に則った国の制度のことです。病気で働けなくなった方や働いても収入が少なく生活できない方などに対して、自立できるまでの期間において国が生活を保障してくれます。

もし住む家を失ってしまうと、上記の憲法が示す「最低限度の生活」を送れなくなってしまうため、一定の条件を満たせば持ち家に住み続けながら生活保護を受給することが可能となります。

一般的に生活保護を受給するには、次の条件を満たす必要があります。

生活保護の受給条件
  • 売却可能な資産(車や不動産など)がない
  • 病気やケガなどなんらかの理由で働けない、もしくは働いても生活できるだけの給料を得られない
  • 国の支給する年金や各種給付制度などを利用しても生活できない
  • 家族や親戚などの一定の援助が期待できない
  • あらゆる努力を行っても、最低生活費が国の基準に満たない

上記の条件を頭に入れておきながら、持ち家がある場合はどのように適用されるのか次の章から説明していきます。

持ち家があっても生活保護を受けられるケース

持ち家を所持したまま生活保護を受給するには、対象の持ち家について次の条件のいずれかを満たしている必要があります。

居住用の持ち家である場合

まず、別荘や投資用の物件などではなく、居住目的で所持している家であることが挙げられます。単純に、住んでいる家を売却してしまうと住む家がなくなってしまうためです。

持ち家を売却しそのお金で賃貸住宅に住む選択肢もありますが、その場合毎月の家賃は持ち家の売却額か生活保護費から捻出しなければなりません。持ち家の売却額が高額であれば家賃を支払っても問題ありませんが、少額であった場合は生活保護費から捻出する割合が大きくなり、国と受給者どちらにとっても負担になります。そのため、持ち家を売却することでかえって金銭的な負担が増える場合は持ち家の所持が認められます。

なお、居住用でない場合でも、たとえば空き家で取り壊し処分するのに多額の費用がかかり、そのまま所持していた方が安上がりになると判断されるものは例外的に保有可能です。あるいは、歴史的価値の高い建物のように、社会通念上取り壊すことや譲渡が難しい建物なども所持が認められることがあります。

当面の生活を維持するために必要である場合

居住用でない持ち家であっても、今後生活するのに必要だと認められれば所持したまま生活保護を受けられます。

たとえば申請者が経営している店舗や、自身の経営する会社の商品を生産する工場などは売却の必要なしと判断されやすいです。もし、これらを売ってしまうと商売ができなくなり、今後自立する有力な手段を失ってしまいます。生活保護は自立を支援する目的もあるため、将来自立するのに必要と考えられる不動産は保有が認められます。

持ち家があると生活保護を受けられないケース

一方で、特定の持ち家の状態で所持したままだと生活保護が受けられない場合もあります。たとえば次のようなケースが挙げられます。

多額の住宅ローンが残っている場合

住宅ローンで家を購入した場合、住宅ローンの返済が残っていると生活保護を受けられないことがあります。これは生活保護を受けた場合、支給される金額がローン返済に当てられてしまう可能性が高いためです。生活保護はあくまで申請者の生活費として支給されるので、その用途以外で使用することは基本的に認められません。

目安として、下記のどちらかに抵触すると生活保護が認められない可能性が高いです。

生活保護が認められないケース
  • 300万円以上のローンが残っている
  • 完済までに5年以上かかる

もし住宅ローンが残ったまま生活保護を受けたい場合は、持ち家を売却することを視野に入れましょう。

住宅ローンの知っておくべき基礎知識や注意点を解説していますので、下記の記事を参考にしてみてください。

生活する上で必要不可欠ではない場合

投資用に購入した不動産や別荘、空き家など、生活で必要となる居住以外の目的で所持している持ち家は、生活保護申請前に売却して少しでも生活費にあてることが求められます。

なお、居住用の持ち家であっても、次のような場合は生活に不要とみなされ、一部手放すことを求められる可能性があるので注意しておきましょう。

居住用の持ち家で手放す必要があるケース
  • 持ち家の中に使用していない部屋が多くあり賃貸に利用できる
  • 住んでいる土地が広大で一部売却する余地がある

持ち家の資産価値が高い場合

持ち家を売却することで高額の生活資金を得られる場合、原則として居住用であっても持ち家の売却が求められます。たとえば都心にある1億円のマンションに住んでいた場合、マンションを売却して得たお金で安い賃貸住宅に住めば十分に生活ができると考えられるため、生活保護は認められないケースに該当します。

売却が求められる不動産の評価額は、国の発表する「不動産の保有の考え方」によると10年分の生活保護費にあたる、約2,000万円が目安となります。

 

「当該実施機関における最上位級地の標準3人世帯の生活扶助基準額に同住宅扶助特別基準額を加えた額の概ね10年分(約2千万円程度)を目処」

ー引用元:不動産の保有の考え方

基本的に持ち家を売却する場合、建物だけでなく土地も一緒に売却することになるため、10年分の生活保護費よりも売却価格の方が高くなるケースがあります。このように持ち家の資産価値を把握しておくことは、生活保護を受給する上でとても重要なのです。

判断に迷ったら不動産査定会社に相談を
もし築年数の古い持ち家に住んでいる方であれば、売却しても2,000万円以上にはならないと安心して判断を誤ってしまうことがあるため、必ず不動産査定会社に相談して正しい売却額を算出するようにしておきましょう。

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生活保護の申請方法

では実際に、生活保護を受けるための流れを説明します。生活保護は役場で各種手続きをするのと同じように、申請書類を記入して提出する必要があります。

福祉事務所へ事前相談する

生活保護の相談や申請は、次の施設で受け付けています。

  • 福祉事務所
  • 市町村役場

福祉事務所がない場合、市町村役場が代理で受け付けてくれることが多いです。

まずは生活保護担当部署へ行き案内を受けましょう。生活保護制度に関する一通りの説明のほか、現在の状況に合わせて適用できそうな公的制度や、生活困窮者向けの貸付制度である生活福祉基金などについても紹介してもらえます。

生活保護の申請をする

一通りの説明を受けたら、窓口から生活保護申請用の書類を受け取って必要事項を記入して該当施設に提出しましょう。必要な書類は以下の通りです。

  • 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
  • 健康保険証
  • 印鑑
  • 通帳の写しや給与明細、収入証明など(※収入状況確認に必要な場合のみ)

この他、自治体や生活状況によっては、他に書類が必要になる可能性もあります。事前に電話やインターネットで確認しておきましょう。

受給可否の調査

申請が済むと、申し込み者の状況が審査され受給可否が決定します。審査項目は多岐に渡りますが、たとえば次のようなことが審査されます。

  • 現在の資産状況(貯金や借金など)
  • 家族の支援が期待できるかどうか
  • 保険の加入有無

審査にあたっては、ケースワーカーと呼ばれる、生活の立て直しに関する専門家が実際に家を訪問するなどの調査も行われます。

申請から受給可否の結果通知までは原則2週間以内です。しかし、資産状況の確認が難航した場合は最長で30日かかることもありますもし、この間にお金がなく生活に困った場合は、「臨時特例つなぎ資金貸付」という生活保護申請中に無利子でお金を借りられる制度があるので活用するとよいでしょう。

受給開始

審査に無事合格すれば、次の支給日から受給開始されます。支給日は自治体ごとに決められており、毎月の月初か月末頃が一般的です。受給開始後は毎月の収入申告の義務があります。生活保護を受ける人は必ずしも無収入というわけではないため、規定の生活保護費から毎月自力で得た収入を差し引いた額が支給されるのが特徴です。

なお、もし申請が通らなかった場合も再申請や再審査請求は可能です。ただし、落ちた理由を改善しないと同じ結果になってしまうため、なぜ落ちたのか分析しましょう。

審査に落ちる理由としては、たとえば次のようなものがあります。

審査に落ちる理由の例
  • 金融機関に貯金が残っている
  • 売却可能な車や不動産などの資産が残っている
  • 健康上の問題が認められず、働くのに支障がない
  • 家族や親戚からの援助が可能である

もし働けると判断された場合は診断書を提出し、働けない理由を明確にするといったように、対策してから再度申し込みするのが審査に通るコツです。

生活保護を受けるために持ち家を売却する場合のポイント

検討した結果、持ち家を売却しなければ生活保護を受けられないという結論に達した場合、いくつか注意点があります。注意点を知っておかないと、最悪の場合不正受給扱いされてしまうこともあるため気をつけましょう。

生活保護受給中の不動産の相続は届け出が必要

生活保護を受けていて、身内に不幸があり不動産を相続する場合は必ず福祉事務所に相談しましょう。受給者は資産状況に変動があった場合、速やかに報告する義務があります。相続自体は生活保護を受給していても問題なく可能です。しかし、不動産は財産と見なされるため、生活できるだけの資産がないという生活保護を受給するための条件を満たせなくなる可能性があります。

もし不動産を所持していても生活保護に値すると判断されれば、不動産を所持したまま引き続き受給が可能です。逆に生活保護は不要だと判断された場合、受給が停止されます。

不動産を相続したら必ず申告を
もし不動産を相続したことを隠して受給し続けた場合、不正受給とみなされ、今までの生活保護費全額を返還要求される可能性があります。また生活保護を受給している間は、遺産相続を放棄することは原則できない点にも注意が必要です。

任意売却ならオーバーローンでも売却しやすい

持ち家の資産価値よりもローン残高の方が多い、いわゆるオーバーローン状態のときに家を売るには、任意売却をしましょう。通常、ローン残高を支払えなくなった家はローン契約した金融機関が回収し、競売にかけます。競売での落札価格は、市場での相場と比べるとやや安値になるのが一般的です。

一方で任意売却は、金融機関の合意のもと、一般的に住宅を売買するのと同じやり方で売却します。ほぼ市場価格で取引するぶん競売よりも高値がつきやすくなり、残債が減りやすいのが大きなメリットです。金融機関にとっても任意売却の方がなにかとメリットが大きいため、合意を得やすい方法でもあります。

ローンが残った状態だと通常は全額返済してからでないと売却できないため、生活保護者は任意売却を選択する方も多いです。ただし、任意売却でもまだローン残高が残ってしまった場合、最終的には自己破産するしかなくなります。

リースバックなら自宅を借りられる

生活保護を受給しつつ持ち家に住む方法としては、リースバックも有効です。リースバックは、簡単にいえば「いったん持ち家を売り、その家を借りて住む」という方法。家は買い取ってもらうことで所有権が移るため、自己の所有扱いにはならず生活保護の条件にも抵触しません。

また、持ち家ではなくなるため、固定資産税を支払う必要がなくなるのもメリットです。さらに、将来もし再び自立してまとまった資金を得られれば、売却した家を買い戻すこともできます。

リースバックが目的で住宅ローンが残っている家を売却する場合は、いったん家を任意売却の方法でリースバック会社に買い取ってもらいます。その後、改めてリースバック会社と契約する流れです。

居住エリアによっては住めない可能性も
お住まいのエリアによっては家賃が高くなり生活保護内では住めない可能性があります。その場合は敷金を増額することで、毎月の家賃を下げる制度を利用できるリースバック会社をあらかじめ選んでおくと便利です。

リースバック会社を比較するならこちらの記事も参考にしてみてください。

まとめ

生活保護においては、持ち家に住むことがもっとも安上がりで理に適っていると認められれば、持ち家を所持したままでも生活保護を受給できます。ただし、土地価格を含めて持ち家の資産価値が高いと、居住用であっても売却を勧められることが多いため注意が必要です。どうしても持ち家に住みたい場合は、いったんリースバックを利用して売却してから借りる手もあります。

生活保護はお住まいのエリアにある福祉事務所で申請可能です。申請から結果通知までは約2週間かかります。この記事を参考に、持ち家を所持したままでも受給できるか判断し、生活保護の申請を早めにしましょう。

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