所有している不動産を売却するには適切な価格設定が必要なので、見積もりは不動産を売却するうえで重要な工程です。専門知識がある業者に依頼して、正しい相場を把握してから売りに出す必要があります。
しかし、不動産売却が初めての方は、「どうやって不動産会社を選べばよいのか」「見積もり依頼前に用意するものがあるのか」など、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、不動産の見積もりを依頼する前に知っておくべき基礎知識や注意点を詳しく解説していきます。ぜひ本記事を参考に不動産の見積もりをしてみましょう。
- 不動産の有料査定は10〜15万円程度かかる
- 不動産の無料査定は、相見積もりがおすすめ
- 高額な査定を提示してくる不動産会社に注意する
不動産の見積もり査定方法の種類
不動産を売却するには、まず物件価格の見積もりが必要です。見積もりには机上査定と訪問査定という2種類の査定方法があります。それぞれの概要を把握し、どちらの方法が自分に合っているか確認しましょう。
机上査定
机上査定とは、住所、間取り、面積、築年数などのデータを提出し、査定を依頼する方法です。直接物件を見なくても査定できるのが特徴で、簡易査定とも呼ばれています。過去の取引実績や市場動向などを参考にして査定額が算出されます。
机上査定のメリットは、不動産会社が家に立ち入ることがないため気軽に査定を依頼できて、数日で結果が出ることです。反対にデメリットとして、実際の物件の状況や、リフォームの有無など詳細な部分は考慮されないので、必ずしも正確な査定額が得られるわけではない点が挙げられます。
時間的に余裕がなく、とりあえず大まかな相場を早く知りたいと考えている方におすすめな査定方法です。
訪問査定
訪問査定とは、不動産会社が実際に物件に立ち入り査定する方法です。机上査定で出したデータと合わせて、物件の状態、地形、日当たり、周辺環境などをヒアリングし、詳細な部分も確認した上で査定額を算出します。
訪問査定のメリットはより詳しくチェックする分、実際の価格に近い査定額を出せることです。すでに売却を決めている場合は、より正確な見積もりを出してくれるので訪問査定が向いているでしょう。新型コロナウイルス感染症などの影響もあり、オンライン訪問査定を実施する会社も存在します。ビデオ通話越しで査定を行えるので、状況によって上手く利用してみましょう。
不動産の無料査定と有料査定の違い
不動産の見積もりには無料査定と有料査定があります。ほとんどは無料査定を利用するケースが多いのですが、場合によっては有料査定を利用した方がよいこともあります。それぞれ違いについて以下で解説するので、参考にしてみてください。
無料査定とは?
不動産会社が見積もりを行う場合は、基本的に無料で依頼できます。費用をかけず手軽に査定額の目安を知れる一方、不動産会社は営業の一環で無料査定を行っているため、売却を積極的にすすめてくる可能性があります。
注意点は、不動産会社によって査定方法、査定額が異なることです。1つの不動産会社だけに頼ってしまうと正しい相場か判断できないため、複数の不動産会社に査定依頼し、その結果から比較検討するのがおすすめです。複数の会社に見積もりを依頼することを、相見積もりといいます。
無料査定が向いている方
無料査定が向いているのは、物件を売却すると決めている方、売却を視野に入れている方です。不動産会社の無料査定は営業の一環で行っているため、売却を目的とした相談がしやすいです。担当者が類似物件や同じエリアの物件を取り扱っているか、実績があるかなど質問しながらよりよい不動産会社を見極めていくとよいでしょう。
不動産一括査定サイトを利用する
無料査定を考えている方は不動産一括査定サイトを活用してみましょう。不動産一括査定サイトとは、複数の不動産業者に査定を依頼できる無料サービスです。
一度フォームに情報を入力するだけで複数の会社に査定依頼できるので、一つひとつの業者に依頼する手間が省けるメリットがあります。
デメリットは、査定後に営業の連絡が来る可能性があることです。中には契約を取るために営業電話がかかって来たり、不当に高額査定を提示する会社もあるので注意しましょう。
現在では多数の不動産一括査定サイトが存在していますが、編集部では、幅広いニーズにマッチしやすい次の3サービスをおすすめします。
どのサービスも、利用者にアンケートを募り目的別ランキングで1位を獲得したサービスですので、ぜひ参考にしてください。
【部門別のユーザー満足度No.1】
\おすすめ不動産一括査定サイト3選/
※本ランキングは2022年4月クラウドワークスにて実施した利用者アンケートの満足度採点を参考にしています。(回答者:不動産一括査定サービスを利用した35人)
その他のサービスも併せて比較したい場合はこちらの記事をご覧ください。
有料査定とは?
有料査定とは、不動産鑑定士によって査定する方法です。国家資格を保持した不動産鑑定の専門家である不動産鑑定士が適正な査定をします。費用相場はおよそ10〜15万円です。
「不動産の鑑定評価に関する法律」という法律に基づいて査定するため、客観的で正確な鑑定ができます。より公的な書類を求める場合は不動産鑑定評価書の作成を依頼しましょう。立証資料としても有効になるため、信頼性が高い書類です。
有料査定が向いている方
有料査定で作成できる不動産鑑定評価書は法的効力を持たせられるため、遺産相続などで正確な査定額を知りたい方、裁判などの立証資料として査定が必要な方に向いています。特に、相続や財産分与などでお互いの意見が合わず揉めているときに、公正な判断ができる方法として使われることが多いです。
有料査定のメリット・デメリット
有料査定は、専門家による客観的で正確性の高い証拠能力を持った資料を作成できるのがメリットです。裁判所や税務署にも通用する査定資料になります。
その一方、有料査定は決して安くはない費用がかかります。また査定にかかる期間も、打ち合わせから、物件の調査、情報収集、分析などを行うため数週間はかかるので、余裕を持ったスケジュールで依頼しましょう。
不動産見積もり依頼前にすべきこと
ここからは不動産見積もりを依頼する前にすべきことを紹介します。効率よく見積もり依頼をするためにも下記の内容をしっかり確認しておきましょう。
自分で不動産の相場を調べる
まず見積もりを依頼する前に、売却する不動産の価格を事前に把握しておくことが大切です。「査定前に相場を確認できるの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、コツをおさえておけば、おおよその目安を知ることができます。主な方法については以下の3つがあります。
近隣の類似物件の販売価格を調べる
近隣の類似物件の売却額を調べて、相場を把握する方法です。購入者向けに用意されている不動産検索サイトを利用して、売却価格を調べてみてください。物件の面積、築年数、駅からの距離などを検索条件に入れて、より近い条件の物件を中心に確認してみましょう。
土地総合情報システムを使用する
国土交通省が運営している土地総合情報システムというサイトを使う方法です。実際に取引された物件価格、地価、都道府県別地価調査などのデータが調べられます。場所を指定するだけで、簡単にどんな物件がいくらで取引されたのか確認できます。国が展開しているサービスなので信用性も高い情報だといえるでしょう。
レインズマーケットインフォメーションを使用する
レインズマーケットインフォメーションとは、国土交通省大臣指定の全国4つの不動産流通機構が運営しているサイトです。場所を指定すると直近1年間で売買された物件の単価、間取り、築年数、成約時期などの情報が調べられます。
不動産会社が査定額を出す場合も、このレインズマーケットインフォメーションを使って算出されている場合が多いです。そのため事前にこのサイトを利用して相場を把握しておくことで、相場から大きく外れた査定額を出す不動産会社を見極められるでしょう。
住宅ローンの返済額を確認する
住宅ローンは不動産の売却時に全額一括返済しなければなりません。住宅ローンが残っている場合は、残額を確認しておく必要があります。ローンを組んだ銀行に申請すると、残高証明書を発行してもらえます。売却金額もローンの返済額を考慮する必要があるので注意しましょう。
見積もりに必要な書類を準備する
不動産会社が見積もり算出時の参考にするため、以下のような資料が必要になります。
【見積もりに必要な書類】 | 【取得場所】 |
登記簿謄本 | 法務局やインターネットなど。 |
売買契約書 | 不動産を購入したときに不動産会社からもらう書類。手元にない場合は購入した不動産会社に連絡し、コピーで対応。 |
公図 | 法務局やインターネットなどで取得 |
測量図、建物の図面 | 不動産を購入したときに不動産会社からもらう書類。手元にない場合は法務局やインターネットで取得。 |
リフォームの契約書 | リフォーム時にリフォーム会社からもらう書類。手元にない場合は、依頼したリフォーム会社に連絡。 |
登記簿謄本は不動産の登記記録が記載されている書類で、売買契約書は不動産購入時の物件状況などが記載されている書類です。これらがあると、不動産の権利を持ち主が証明できるため、売買などの取引を円滑に進められます。
公図は土地の図面で、形状や地番、接道などが分かります。測量図は土地の形状や面積などが記載された書類です。建物の図面は不動産の購入時などのパンフレットがあると、建物内の構造が詳細に把握できます。いずれも不動産や物件の情報を、より詳しく不動産会社に共有できるので適切な査定額を算出することに繋がります。
リフォームの契約書は、リフォームをした物件の場合提出が必要です。こちらがないと物件の適切な査定評価ができないので注意してください。
見積もり後の不動産会社の選び方
複数社から見積もりを取った後、自分にあった不動産会社を選ぶときのコツを紹介します。
査定額は適正かどうか
実際に不動産会社に提示された査定額と相場価格に大きく違いがないか確認しましょう。他の会社と比べて安すぎる、高すぎることがないかも注意してください。「高いならそれに越したことはないのでは?」と考える方もいるかと思いますが、契約が欲しいあまり、高額な査定額を提示してくる会社が存在するため一概によいとはいえません。
相場より高額な物件は当然売れにくいので、高値で査定した後に何かと理由を付けて査定額を大幅に値下げしてくることもあります。こういった悪徳な会社に騙されないよう、査定額に関しては慎重に確認していきましょう。
類似物件の販売実績があるか
不動産会社によって得意な分野は異なります。「特定の地域に強い」「一軒家に強い」「中古物件に強い」などさまざまです。
売却したい物件を売る実力があるか確かめるには、その不動産会社に類似物件の販売実績があるかどうかを聞いてみましょう。できるだけ条件が近い物件を得意としている不動産会社を選ぶのが、不動産売却の成功の近道です。
訪問査定の場合は、前もって近隣の販売実績を用意してもらうように伝えておきましょう。会社や担当者によっては事前に実績資料などを準備してくれることもあります。
査定額の根拠について説明があるか
会社に査定額を提示してもらったときは、具体的に何を根拠にその査定額を出しているのか聞いてみましょう。不動産会社はあくまでも仲介役で、実際に購入するのはお客さんである買い手です。買い手に値下げ交渉をされたら応じなければいけない場合もあります。それを考慮した上であえて高めに査定額を出す会社があるので、事前に査定額の根拠について確認しておきましょう。
また、仲介料金についても明確な数字を出してくれているかが重要です。高額な査定金額を出されても、あとになって仲介料金が他社より高額だと判明しかえって損をしているケースも少なくありません。
複数の不動産をまとめて調べたい方は、下記の記事をご覧ください。
不動産の見積もりに関する注意点
最後に不動産の見積もりに関する注意点を紹介します。
査定額=売却額ではない
査定額は実際の売却額ではありません。あくまでも市場価値に基づいた目安でしかなく、買い手から値下げ交渉をされる可能性もあります。
また、見積もりで出される査定額には不動産登記費用や手数料、税金といった費用も含められています。そのため実際の売却額より高く見積もられます。その点を考慮した上で、査定額の判断ができるようにしましょう。
査定額が高額のときは注意
提示された査定額が明らかに高額な場合は注意しましょう。少しでも高く売りたいと考える売り手の気持ちにつけ込み、なんとか契約に持っていこうとする会社が存在するのは事実です。そのような悪質な会社の中にはあとから高額な仲介料を請求してくることがあります。また、大幅な値下げ前提で価格提示している可能性もあります。
あまりにも事前に調べた相場とかけ離れていたり、他社が提示した金額とずれていた場合はまず疑ってみてください。その査定額に至った根拠を確認しましょう。
相見積もりの依頼は3〜5社にする
見積もりを依頼する会社は多ければ多いほどいいとはいえません。多くの不動産会社に見積もり依頼すると、その分営業電話などが多く掛かってきて対応しきれない場合があります。また、訪問査定であれば、依頼した会社の数だけ対応する時間を取る必要があります。1〜2日で完結できるよう3〜5社ほどで留めておきましょう。
営業電話などが来るのが不安な方は、不動産一括見査定サイトの運営会社が断りを代行してくれるかどうか事前に確認しておくのがおすすめです。
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提出する情報は統一する
相見積もりを行う場合、提供する情報や資料は統一しましょう。会社ごとに査定方式が異なるため、提出する情報にばらつきがあると、同じ条件で比較ができなくなってしまいます。忘れていた資料が後から出てこないよう、事前にきちんと全ての資料や情報をそろえた上で、見積もりに臨みましょう。
まとめ
不動産の見積もりで大事なのは、複数の会社から相見積もりをすることです。3〜5社から見積もりを取得し、自分に合った不動産会社を選びましょう。そのためには事前に類似物件の相場を確認して、適正な査定額を出してくれる優良会社と契約し、なるべく高く売却できるように準備しておくことが重要です。
見積もりの取得は、不動産売却の最初の一歩。あなたに合った不動産会社を選べると、売却成功にかなり近づくので、この記事を参考に慎重に不動産見積もりをしてみてください。
※この記事は不動産のお悩み編集部が提供しています。